あにまる工房/株式会社菅野建築事務所は、
動物病院専門の設計の会社です。
ペット関連施設の他、ペット共生住宅・店舗・事務所・住宅のご相談も承っております。


プロローグ

 
最初に動物病院の設計を手がけたのは17年ほど前になりますが、その時つくづく感じたのは、動物病院は「総合病院」なんだなあということでした。

風邪くらいしか診られません、ケガしか治療しませんという動物病院はまずありませんね。いわゆる内科・外科から歯科に至るまで、診療科目はすべてにわたっていて、診察・処置室だけでなく、薬局や検査・入院の設備まである「総合病院」なのです。

しかも「患者さん」はたとえばイヌと一口に言っても、大型犬から今流行りのミニチュア犬まで品種もいろいろです。それにネコ、ウサギ、フェレット、ハムスター、小鳥、さらに爬虫類にまで対象を広げている病院も少なくありません。

こうした今日的なニーズと設備・機能を一定の空間につくりこむという作業が、動物病院の設計なのです。そこには一般の住宅や事務所、商店の建築では出てこない要素がたくさんあります。

病院にはレントゲンの機器があります。X線の性質は?電圧は?装置の概要と操作は?デジタルでなければ暗室、現像設備は、フィルムの保管場所は?・・・。

病院ですから手術室があります。よくテレビドラマで手術室のシーン、ビカッとまばゆく光る電灯、あれを無影灯といいます。まさに腕のように無影灯の角度や高さを自在に調整するアームですが、あのアームを有効に生かす天井の高さというものがあります。支える天井には当然補強が必要です。

待合室の設計ひとつとっても、大型犬と小型犬、イヌとネコ、ネコと小動物の住み分けに配慮しなければなりません。人間だったら席をつめて整然と順番を待ってくれますが、ペットたちの待合は、トラブルの起こる可能性のある場所なのです。

鳴き声、臭い、X線。これらに対する防音、防臭、防護の設計は基本事項です。
この他、挙げればキリがありませんが、レーザー機器などの医療機器・各種検査機器、酸素・窒素・笑気などガス類の配管・ボンベの配置、多様な薬品・器具の収納、尿に強い壁材などという事柄は、まず普通の建築物には出てこないものです。

もし動物病院を設計しようというなら、このへんの知識は初歩の初歩になります。ところがつい勢いで「動物病院くらいつくれますよ」と言ってしまう建築業の方。(動物病院の建築は奥が深ーいのですぞ)
また獣医師の先生も自分が指示をしながらやればいいと考えることが多いようです。しかしその結果、心身は消耗する、工期は延びる、コストはかさむ、そして結局、不満の残る病院でガマンしているということになります! 

実際、「こういう病院をつくりたいと伝えていくのに、いちいちオペレーションの内容から説明しなくちゃならないのはたいへん」とこぼされる声を聞くことが、少なくありません。

動物病院をよく知らない人の設計・施工がもたらす笑い話は、枚挙にいとまがありません。
たとえば「隔離室を設けてください」という要望が出たとします。動物病院の「隔離室」というのは、他のペットと同じ入院室に置けない状況のペットを観察・収容する部屋で、いつでも見に行ける設計でなければならないのですが、本当に、外からしか出入りできない「隔離された」部屋がプランされていたことがありました。

入院室が完成して、さてケージを収めようとしたら大きいケージがドアから入らず、いったん壁を壊したという話もありました。

先生の理想の病院を作るためにも・・・上記のようなミスマッチを防ぐためにも・・・動物病院をつくる際は、動物病院の設計に詳しい菅野建築事務所にご一報ください。

 



社名
株式会社菅野建築事務所
代表者
代表取締役 菅野泰孝
(一級建築士 大臣登録 第239545号 /埼玉県震災建築物応急危険度判定士/高圧電気技術者)
住所
〒345-0005 埼玉県北葛飾郡杉戸町目沼410-8
TEL/FAX
0480-38-2447